特殊詐欺の受け子出し子で働いていた時の話その1【闇バイト】

 

 私は2020年7月頃に、今まで働いていた現場仕事を辞めました、そしてお金に困っていました

 何か手っ取り早くお金を稼ぐ方法は無いのかと考えました、その末に考えついたのが特殊詐欺の受け子の仕事でした

 

 その時はとても軽い気持ちでいて、逮捕される事など全く考えていなかったです、犯罪だという気持ちもそれ程なかったです、とにかく大金を手に入れる事だけが頭の中で一杯になってしまっていました

 Twitterで闇バイト、裏バイト等と検索すると応募しているツイートが沢山出てきました、その中から適当に選びDMを送りました、するとすぐに返信が来てテレグラムのIDが送られてきてテレグラムでやり取りをするように言われました

 

私はテレグラムをインストールし以降は全てテレグラムでやりとりをしました

 まずこれが受け子出し子という犯罪である仕事である事、報酬額(盗んだ金額の5%)が送られてきて週に何回働く事が出来るのか、いつから働けるのか等質問され私は週に4日程、明日からでも働けると返信しました

 その後顔写真と身分証の写真を送るよう指示がありました、私は内心怖いなと思いながら信用されるには仕方がないと思い顔写真と身分証であるパスポートの写真を送りました

 その後電話がかかってきて、金の持ち逃げをしたらどこまでも追いかけて詰めるとこまで詰めるからと脅されました、だけれどしっかり働いてくれたら大金が稼げると言われました

 ここまで来たら後には引けない、大金を稼いでやるんだという気持ちでいました

 

 そして仕事に必要な道具のリストが送られて、用意するよう言われました、必要なものは

 ビジネスバッグ、スマホBluetoothイヤホン、キャッシュカードに見せかけるためのプラスチックのトランプ、のり、小さいハサミ、二重封筒を用意するように指示されました

私は100均へ行きのりやハサミや封筒を用意しました

 その後マニュアルと呼ばれる具体的な仕事の手順について書かれたテキストが送られてきました、要約すると

 

①指定された家まで行き、被害者から受け取ったキャッシュカードを被害者の前で封筒の中に入れ封をする

②封筒に割り印をする為に印鑑が必要だと言い印鑑を取ってきてもらう

③被害者が印鑑を取りに行くためその場を離れ目を離している隙に、あらかじめ用意しパンツの中に隠していたトランプが入ったダミーの封筒とすり替える、キャッシュカードの入った封筒はパンツの中に隠す

④トランプの入った封筒に割り印をして貰いその封筒を開けずに保管して貰うように伝える

⑤家を出て付近のATMでキャッシュカードから現金を引き出す

 

といった内容でした

その後は明日から働くという事になり明日の朝都内の指定された駅にいるように指示が来ました服装は無地のTシャツにジーパンといったものでした

それからトランプ二枚をノリで張り合わせたものを10組程用意するように指示されその通り用意しましたキャッシュカードの厚さを出す為です

 

翌日指定された駅に着いたら付近の喫茶店で待機するよう指示されました

茶店に入りしばらく待機していました

その後も数時間毎に別の駅へ行くよう指示され複数回移動し喫茶店で待機していました

 

そして12時を回った頃被害者の住所、名前、在宅人数1人、板4枚、メモ有り。といった情報が送られてきました、板とはキャッシュカードの事です、メモとは暗証番号が書かれた紙の事です

今いるところから指定された場所まで約どれぐらいで着くか調べるよう指示されグーグルで検索しスクショで送りました

その数分後その住所までタクシーで移動するように指示がありました

ここからはBluetoothイヤホンを片耳に装着し、指示役の人間と常に通話したままになります

十数分後被害者の家の前までつきました、あまり人気の無い住宅街でした、この時とても緊張して心臓がバクバクでした

 

指示役から指示のあったタイミングでインターホンを押すように言われインターホンを押しました、そうしたら被害者のおばあちゃんが玄関を開けました

予め教えられていた通り「○○警察の○○(偽名)といいます、封入作業の件で来ました」と名乗りました

被害者の方は完全に信じているようですぐにキャッシュカードを4枚と暗証番号の書かれたメモ用紙持ってきて封筒の中に入れました

その後割り印がいるから印鑑を用意してほしいと言い印鑑を持ってくるため目を離している隙にパンツの中に予め隠してあったトランプの入った封筒とキャッシュカードの入った封筒をすり替えました

そしてトランプの入った封筒に割り印を押してもらい自宅で開けずに保管するよう伝え、未だ繋がっている電話に出るよう伝え家を後にしました

 

家を出た後は素早くその場を離れ封筒を破り暗証番号の書かれたメモ用紙の写真を送りメモ用紙を破棄しました

その後は付近の指定された銀行まで行きました、通話をしたままATMの前まで行き指示役から指定された順番でキャッシュカードを入れ教えられた暗証番号で現金を引き出しました、盗んだカードのうち全てから引き出す事はできませんでした、そして約100万程を引き出す事に成功しました

(高齢者のカードは一日に下せる金額が低く設定されています)

付近のコンビニのトイレに入るよう指示されATMの明細書の写真を送るように伝えられ写真を送りました、引き出せなかったキャッシュカードはハサミで細かく切ってトイレに流すように指示され細かく切ったキャッシュカードと明細書はトイレに流しました

引き出せたキャッシュカードはまた翌日引き出す為に保管するように言われました(このことを朝抜きと呼びます)

そして私の報酬5%である役5万円とタクシーや飲食費の経費を抜いた現金をポッキーの空箱に入れて封をするように指示されました

コンビニでポッキーを買い空箱に現金を詰めました

その後現金回収役の男に現金を渡す為指定された住宅街の中にある公園までタクシーで移動しました

そこで中年の男に出会い、何も話すことなくこっそりとポッキーの箱を渡しすぐに別れました

指示役の人間から、これで本日の仕事は終了になります、また明日もよろしくお願いします、キャッシュカードは朝また下ろしますので保管しておいてください

と言われその日は家に帰りました(そのキャッシュカードは翌日には止められていて引き下ろす事はできませんでした)

 

やってみたらとても簡単に5万円近いお金を1日で稼ぐ事ができました

週に4日働く予定でこの調子でいけば週に20万、月収80万、年に1千万近く稼ぐ事ができると単純に考えウキウキでした

1週間後にあっさり捕まってしまうことも知らずに